8年と3ヶ月民間企業(大手と言っていいと思います)に正社員として勤めていた私は、夫の転勤に伴い退職し、県外へと転居することになりました。子供もおらず、趣味もなく家にいることが苦痛になってきた私はまた新たな地で就職活動をすることにしました。
就職活動において重要なのは、「自分が何を求めているか?」はっきりさせることです。
正社員なのか、パートや派遣社員、契約社員などの非正規雇用なのか、またフルタイムかパートタイマーなのか、給料重視なのか、自分の時間も確保したいのか、などなどです。この条件なるべくマッチする仕事を見つけていきます。
パートタイムで事務の仕事を探す
これまでは正社員の事務職で働いていた私ですが、夫婦の時間を大切にしていきたいという思いもあったことから、パートタイムで事務の仕事を探していました。
ここで一つ、既に勘違いしています。過去に正社員で必死に働いていた私にとっては「パート=楽、簡単」と先入観があり、
パートを選択していたところがありましたが、実際そんなことはありませんでした。
自分の選択した条件にしたがって応募しますが、残念ながら・・・という文書で不採用の通知を受けることが続きました。
ただ、ハローワークを利用している人の中で事務職を希望している人の数というのは多く、倍率もそれだけ高いものだと最初から分かっていたのであまりくじけずに就活を続けました。
そんな中私が次に応募したのが、とある士業を専門にした小さな事務所。
以前の仕事とは全く関係のない初めての仕事でしたが、仕事内容に「データ入力」との記載もあり、また、以前なんとなく取得した資格(高校生でも取得する簡単なもの)を活かせたらな~とよくも考えずに思っていました。
はい、これも私のおバカな勘違いでした。
違和感満載の面接まで
さて、ハローワークの紹介を受けて、応募書類を送ってから応募先の事務所からの連絡を待つこと、
1週間・・・連絡がありません。10日程経ったある日の夕方、やっと連絡が!!
感じのよいやわらかい女性の声でした。面接の日時を案内され、その日の電話は終了しました。電話をいただいた日から1週間後、事務所へ出向いて面接となりました。
面接日当日
職場の入ってるビルの前に到着し、ここで1回目の違和感を感じました。建物が明らかに古く汚かったのです。嫌な言い方になってしまいますが、以前の職場とは明らかに違います。
自分が感じの悪い、生意気なことを言っていることは承知しています。ただ、このような違和感を持ってしまっている時点で、この職場と自分は合ってなかったのだと思います。
ドキドキしながら待っていると、採用担当と思われる一人の女性が現れました。所長がまだ来ていないので、少し待っていてくださいとのことです。指定された面接開始時間を10分は過ぎていました。
面接時に感じた違和感
面接のときに感じた違和感は次のようなものです。
- 応接間がなかったです。部屋の端に小さい椅子がいくつか並べてあるだけでした。
- 6月で蒸し暑かったがエアコンがかかっていませんでした。
- 面接官である2人が面接の前に打ち合わせをしていない様子が見てとれました。
(何時からの勤務になるか、コソコソとその場で二人で打ち合わせしていた) - ハローワークの求人条件ではパートタイムと記載されていたのに、所長に「フルタイムじゃないの?」と聞かれました。
(勿論、ハローワークでパートタイムの求人だと確認している旨申し上げました) - 私が話している声が聞こえなかったようで、それまで優しく話を聞いてくれていた女性が急に真顔になり、「えぇっ?もうちょっと大きい声で」と強く言われ、ピリっとした空気を感じてしまいました。(この人とは合わないかも、とこのとき既にどこかで感じていました。このファーストインプレッションは的中しました)
- 面接官は就職後私の上司になるわけですが、違和感を強く感じていました。
面接後、私の中には違和感が渦巻いていました。いつの間にか私の中にはなんとなく、「不合格になればいいな・・・」という気持ちが出来ていたんです。1週間後に連絡します、と言われたのですが、1週間ちょうど経っても連絡は来ませんでした。
そしてそこから何日か経ったある日、採用の連絡を受け、私は了承しました。
電話を切ったあと、どうしよう・・・という気持ちになりました。今からでもいくらでも辞退の連絡はできる、就職してからでは遅い、今よ~く考えよう、と。
出社する初日に指定されたのは、繁忙期とのことで、連絡を受けてから1ヶ月以上先のことでした。
やっぱりダメだった!
8月の暑い夏の日、私は再びあのボロボロの建物にいました。悩んだ末、辞退の連絡はせず就職することにしたのです。不採用が続きやっと手に入れた採用だった、パートなのだからそんなに負担にならないだろう、そういった気持ちもありました。
結論から申し上げると、半年以上1年未満で結局退職してしまいました。反省と次回につなげるためのおぼえがきをします。
働きながら感じた違和感
まず働きながら感じた違和感を書いておきます。(あくまでもこれまでの自分の経験との比較から生じる違和感で、この職場を否定するものではありません。ただ以前の職場と違いすぎる職場に就職すると、それだけ違和感の数が多くなり、精神的な負担も増えてしまうのではないかと思います。)
- 人数が私含めて4名と少なかった・・・以前はフロアに50~60人いる職場でした
- 家族経営の会社でした。コミュニケーションや関係性が必然的になれ合いになります。私が面接時に感じた違和感はコレでした。(メンバーは親子2人+長年勤めている女性、です)
- PCが人数分ない・・・PCを使用するときはほかの机へ移動して使用しなければなりませんでした。繁忙期には順番待ちの状態です。
早く使い終わらなければというプレッシャーで作業に集中できませんでした。(以前の職場は自分のデスクにPCがありました。ほとんどの職場はそうだと思いますが。) - 郵便物は自分たちで投函・・・以前の職場は郵便係の方がいました。しかも郵便局員の方が取りに来てくれていました
- 自分たちで掃除・・・以前は掃除は外部委託していました。もちろん机の雑巾がけやシュレッダーなど自分たちでやっていることもありましたが
- アナログな作業が多い。例えば郵便物を作成する際、茶封筒に手書きしていました・・・以前の職場は専用ソフトがあり、いちいち住所など書かなくても送付状など作成することができました。
もともといた職場でしていたこと=それが当たり前になっていること、が違いすぎるとストレスや負担が大きくなります。大げさですが、私の場合、自分のアイデンティティが揺らぐ位のことでした。コミュニケーション一つとっても、会話は職場の全員に聞こえますから、必然的に共有することになります。
私の場合、仕事の内容である業種も初心者でしたから、注意されることも多く、その注意は全員に共有されます。一人の上司に注意されると、それを聞いていた他の上司からも後から注意を受けるのです。
次回、就活のときはココに気を付けよう
そして今回の経験から失敗を避けるための対策を考えてみました。
ファーストインプレッションを大事に
面接の日時の連絡が来たとき、面接をしたときのファーストインプレッションや、雰囲気を見落とさず、判断材料にしよう。面接官に感じたこの人とは合わないかも知れない、という印象や、数々の違和感、また面接者といえども時間や期限を守っていただけなかった等、就職する前の段階でも、職場の社風を感じられる点はいくつもありました。これからを冷静に分析し、就職するか否か決めることはできたと思います。
自分の気持ちを大切にしよう。(メンタルが弱い方は特に・・・)
前項目と重複しますが、自分が感じた違和感が強ければ強いほど、それは後々自分の精神的な負担となりのしかかって来ます。私は、その負担が強すぎて結局退職することになってしまいました。また、不採用が続いている中でやっと採用されたということで、前項目に書いた違和感もうやむやにしてしまい、冷静な判断ができませんでした。安易に就職する判断をしてしまうのは危険です!
パート=楽、簡単という先入観は捨てる!
自分の私生活を大事にしたいがために今回パートの事務職を選択しました。
しかし、パートといえども勿論責任はありますし、少人数の職場であれば、自分だけが担当する仕事を受け持つこともあり、専門性を身に着けるために勉強が必要になることもあります。今後、転職活動の際この先入観は捨てることにしました。
大企業から中小企業へ(その逆も然り)と、会社の規模が違う転職はよ~く考えるべき!
- 業種(仕事の内容)
- 企業形態(人数の多さなど会社の規模)
- 勤務形態(正規雇用、非正規/フルタイム・パートタイム)
この全てが全く異なる転職だったことで、負担が大きかったと思います。まるで違う世界に来てしまったかのようでした。もう新卒でもなく若手でもない自分が、次回転職する際は、この3つのうち全てが過去の経験と異なるものはなるべく避けたいものです。やはり過去の経験というのは自分を構成する要素で、転職活動の鍵となるものだと実感しました。
まとめ
繰り返しますが、大企業・中小企業などの勤務形態の良し悪しを言っているのではありません。過去と異なる職場への転職は、慣れてないことが多すぎて、緊張しやすい、メンタルがあまり強くない場合、大きな精神的負担となってしまうことがあることを伝えたかったのです。
残念な結果となってしまいましたが、本当に良い、社会勉強になったと思います。ただ、転職先には大変迷惑をかけたと反省しています。