転職エージェントを実際に利用してみてわかった利点と裏側




新卒入社後3年待たずに転職を決意

新卒で人材派遣系の会社に入社し、営業として配属が決まり、初めての社会人生活がスタートしました。しかし、仕事を覚えていくにつれ「このままではヤバイ」と思うようになってきました。なぜならば、その時やっていた仕事は、1割本当のことを9割の嘘で脚色し、自社の社員をお客様先へ派遣することが主だったのです。そして、その嘘はお客様だけでなく自社の社員にも使います。

つまり会社の利益のために、いろんな人に嘘をついてごまかして回るお仕事でした。上司に「君も1年後あの先輩のようになるんだよ!」といわれても、その先輩は嘘つきの達人。ひどく失礼な言い方ですが、会社の犬にしか見えませんでした。憧れなんて一切ありません。次第に、誰のために働き、何に貢献しているのか?自分は仕事を通して何がしたかったのかを自問自答するようになりました。

決定的だったのが3年後の転職を考えた時。3年も営業をしていると、次の会社で別の業種をしたくても、営業ばかりの仕事を紹介されてしまうのではないか?そう思ったら、「とりあえず3年」なんて待っていられません。

私は、転職を決意しました。

転職エージェントに会いに行く

新卒でお金も無かったので仕事をしながら転職活動をしたいと思っていたのと、新卒の時は自分ひとりで企業を選んで失敗に終わったので、プロに会社を選んでほしかったという2つの理由から、転職エージェントを利用することにしました。

転職エージェントを利用するのは初めてだったので、4~5社のエージェントに会いに行きました。その中で、一番自分の興味のある会社を紹介してくれたエージェントの2社に絞り、転職活動が本格的に始まりました。なぜ1社に絞らなかったかというと、エージェントによって得意な業界やコンタクトをとっている企業が違うから。面接を組まれる件数やメールの返信などは2倍になってしまいますが、選べる会社も多くなると思ったのでこの方法を取りました。

エージェントを使って転職活動をするときの注意点

エージェントが見せてきた数字に騙されない

気を付けて欲しいのが、エージェントが一番初めの面談で話す転職活動のお話。

「1社の内定を取るためにはだいたい〇件応募して、うち書類が通るのが〇件。それから面接が通るのがやっと〇件です。」という数字を使った説明をしてきます。結果から言うと、最低でも50社は応募して下さい。という内容でした。

しかし、この数字は正確な数値じゃないなと、転職活動を通して実感しました。書類の応募が始めると、エージェントが手始めに30社ほどの求人票を見せてきます。それで「とりあえずこれで全部エントリーしても良いですか?」というのです。求人票をよく見ると、希望の職種以外のものも入っています。それについて尋ねてみると「まずは受けてみて、内定を取らないと。」と言われてしまいました。

新卒の時から、行く気もない会社に数打ちで応募するのに意味を感じていなかった私は、「希望の職種の、これとこれにエントリーします。」と言って30社中8社ほどにしかエントリーしませんでした

こうやって、とにかく沢山応募させているから「最低でも50社に書類を送らなければ…」という数値結果になってしまっているのではないか?と思わざるを得なかったです。エージェントの方の面接件数ノルマは無いという話をされていましたが、少なくとも実績としては関係しているので頑張りたいのかもしれないなと思いました。

自分の意思を強く持つこと

エージェントを使う際は、与えられた求人に無理に書類を応募することなく、自分の希望の求人をしっかり選んでからエントリーすべきです。もし押しに負けて全てに応募をして、自分の全く興味のない企業と面接を組まれた暁には、興味のない会社に響くような自己PRを無理やり考えたり、思ってもいない志望理由を考えたりしなければいけなくなります。

仕事をしながらの転職活動というだけでもかなりパワーがいることなので、このストレスは半端じゃありません。行く気がない企業に入社しても転職成功する可能性はどのみち低いです。転職を成功させるためだと思って、書類の段階で不要なものは切り落としましょう。そして、エージェントの言う「最低50社応募が~」なんて言う言葉は鵜呑みにせず、豆知識程度に聞き留めておくことです。

それでもエージェントを利用する利点

それでも、エージェントを利用する利点は大いにあります。

エージェントを利用する転職活動は、自分と企業との間にエージェントが立ちます。そして応募の際に、履歴書とともにエージェントの推薦文というものが企業に送られるそうなのです。これが非常に強力で、直接応募していたら書類の段階で落ちていたかもしれない企業でも、エージェントの推薦文から、企業は「とりあえず会ってみるか」と面接の機会を作ってくれるのです。

特に、私は新卒で勤めた会社を半年で辞めようとしているので、会社的には印象が悪く圧倒的に不利。普通にやっていたら書類落ちばかりで面接に進むことも難しかったかもしれません。エージェントが、自分のマイナス点をカバーしてくれたからこそ、転職の道が広くなったのだと感じています。

現職は希望のプログラマーに

エージェントを利用し、なんとか希望の職種であるプログラマーになることが出来ました。そこは未経験者も受け入れてくれる、温かい企業です。今もその会社に勤めており、プログラマーとして日々勉強し、残業も時には大変ですが充実した毎日を送っています。

繁忙期の休日出勤など、今の会社に対する不満はなくは無いのですが、自分の目指す将来に向かっている過程なんだと思うと、多少の不満は気にならなくなります。ベースが好きな仕事であれば、多少の嫌なことも許せるんですよね。これからももっともっと勉強をして、自分の可能性を広げていきたいと思います。

折角エージェントに上げてもらった転職成功率を自分で下げないために

全てエージェントに任せていれば上手く転職活動を回してくれる、と思ったらそうではありません。確かにエージェントの力添えで面接の機会を作ってもらいますが、その先は自分自身にかかっています。エージェントは、面接後のフォローもしてくれますが、面接でいかに自己PRをして、入社意欲があるのかを企業に伝えるのは自分自身です。

私の希望職種はプログラマーだったので特にそうだったのですが、プログラマーになりたいのならば、その気持ち相応の行動をしているかどうか?を面接で見られることが多くありました。きっとそれは、経理やデザイナーなどの専門的知識を要する職種に共通する事だと思います。

「経理になりたくて応募しました」と言っても「じゃあ、今何か勉強してる?」と聞かれて言葉に詰まったり「採用が決まれば本格的に資格勉強を始めます!」と答えるとどうでしょうか。

「自分から進んでやりたいほど意欲は無いのだな」と思われる上、「言われないとやらないタイプなのかな?」というマイナスイメージに繋がります。

私は、転職活動中にプログラミング言語を自分のパソコンにインストールしたり、プログラミングの勉強サイトで自主学習をして、面接では「〇〇を実際に使って○○の勉強をしています!」と具体的に答えて採用担当者の方から好印象を頂けました。エージェントは、あくまで企業面接への扉を広げてくれるサポーターです。最後の最後は、合否を決めるのは自分自身です。もし、面接が不安であれば、それこそエージェントが面接練習をしてくれますので、積極的に利用してください。

終わりに

エージェントを利用した転職活動を振り返ると、利用して良かったなと思っています。仕事をしながら進める企業研究と書類の作成、応募はエージェントが代わりに行ってくれるので、転職活動の負担が軽減しますし、先に述べたように書類の通過率も上がるからです。他にも、直接聞きにくいボーナスや残業の実態もエージェント越しに確認できるので、安心できました。

そして、転職活動は孤独であることが多いので、転職に対する不安を聞いてくれるパートナーが一人いると、非常に心強いものです。エージェントとの人間的な相性も実は重要だったりするので、もし合わないなと思ったら担当を変えてもらうなり、他のエージェントを当たってみるなりしたほうが良いです。

総じてみるとメリットが圧倒的に大きいので、私は知人が転職を考えている際には、エージェントの利用をオススメしています。

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