会社員を続けながら転職活動をした方が落ち着いて企業を探せるのではないか?




接客販売の仕事をしたくて販売職の正社員になる

大学を卒業後に新卒で会社に入社した私は、家電量販店で販売員として仕事に従事していました。接客の仕事に携わりたいと思い大学時代のアルバイトでもアパレルショップの店員として販売の仕事に従事していたほどでした。どの企業や業界といったカテゴリーにとらわれず、「販売職」であれば業界は問わないというスタイルで新卒採用に臨んでいたところたまたま前職で家電量販店に内定をもらいました。

入社後は、販売員に必要な接客スキルや心構えなどアルバイトと正社員の違いを感じる研修を受講し社会人として気持ちを固めることができました。仕事でもお客様に自分から積極的に話しかけて丁寧でわかりやすい接客とアルバイト時代に身に着けた「お客様の話を聞くこと」を実践し着実に実績を伸ばし同期の中でもトップクラスの販売実績を1年目から残すことができました。

仕事中心の生活で休日に対する欲求の増加

販売員として仕事をしているとどうしても平日休みが通例であり、連休は1年間に5回以下とゆっくり休みを満喫することができない労働環境でした。1年目は特に休日らしい休日を過ごしておらず、休みの日には商品知識をつけるために家電メーカー主催の新商品発表会に参加し新商品の機能に関する説明を受けたり、販売するためのトークを学んだりと自己啓発に時間を費やしていました。

このような休日返上で勉強会に参加する様子は、メーカーの方を通して店舗の店長に伝えれ、「よくがんばっているな。この調子でお店に貢献してくれよ、期待しているから」と普段会話をする機会が少ない店長からほめてもらえるとこともあり、ますます休日には勉強会に参加するようになりました。

1年目は特に会社員になったばかりなので、上司に認められたいという気持ちも強くありました。だからこそ勉強会の参加が唯一の評価されているポイントだと思うと新人ながらに辞めるにやめられない研修となりました。2年目には、研修参加が当たり前という視点となり休日返上で参加するのも当たり前という形で、「本当にこれでいいのだろうか?」と仕事と休日の成り方について疑問を持つようになりました。

休日が欲しいという心のSOS

疑問を感じつつも仕事をしながら休日には研修に参加する日々を2年続けているとき、体調を崩して1週間入院したことがありました。原因は慢性的なストレスだと診断を受け、1週間の療養を必要としました。親からはこの時初めて「しっかりと休日は休まないとダメよ」と叱られました。入院しているときの1週間はのうち、はじめの2日間は仕事のことが気になって、毎日出勤時間に目が覚めてしまうこともありました。

ただ、3日目以降は仕事のことが頭から離れ、久しぶりの休日だしどこかに出かけようという気持ちになり近所を散歩するようになりました。仕事を考えないで気のままに時間を使う感覚は久しぶりで、ただの散歩でしたがとてもリラックスして自由な時間を使えたような感覚になりました。

復職後の体調変化

1週間の療養を経て職場に復帰すると入院前と同じ環境が目の前に広がっていました。いつものようにお客様に商品の説明をして、販売をしたり購入を検討している方には名刺を渡して次回指名してもらえるように営業を行っていましたが、1つ1つの接客が終わりふと店内を見渡すと「仕事が休みだと自由にお店を行き来することができていいな」と自分の置かれた環境と周りの環境を比較するようになりました。特に夏休みや年末年始になると店内にはお客様の数が増える為、「世間が休みの中なんで仕事をしているのだろう?」と誰にもぶつけられない自分の置かれた環境に苛立ちを感じるようになりました。

シフト制であることや休日が平日であることに劣等感を感じ、カレンダー通りの仕事をする人に対するあこがれの気持ちが日に日に増していきました。この調子で仕事しているとまた体調を崩しかねないという不安もあり、仕事に対するモチベーションが低下し販売実績も同期でトップクラスだった分、実績の下落は人事部の耳に入り、営業時間中に人事部の方が店舗にきて、呼び出されたと思えば「実績の低下に関連して仕事の悩みはないか?なにか困っていることがないか?」という面談をされるほどでした。

相談しても解決しない状況に退職を決意

人事部の人に話をする際にはじめは抵抗がありました。人事部から結局店長の耳に入ってしまうと考えていたからでした。そのため、はじめは特に悩みことはないという様子で答えていましたが、人事部の人から「ここだけの話にするから抱えていることがあれば言ってください」と諭され、仕事内容についてや休日について、研修についての評価など思っていたことを話し、気持ちが少し楽になりました。なかなか不満を口にすることはなく胸にため込むタイプだったので話を聞いてもらえたのはとても救われた気持ちでした。

しかし、面談が終わっても翌日にはまた気持ちが沈んでしまい仕事のモチベーションが上がらないままでした。次第に仕事もうまくいかないようになり自分の不手際でお客様に迷惑をかけることも出てきたことから、「自分がこんな状態で仕事を続けていると迷惑をかけてしまう」と考え仕事から離れることに気持ちが固まりました。

退職をして手にした休日

仕事を辞めて1か月間は有給休暇を使っていたため、仕事からは事実上離れていますが出勤することもなく自宅でゆっくりとした時間を過ごしました。はじめはのんびりとした時間に焦りを感じたこともありましたが、いまは2年間頑張り走り続けてきた中、なかなか手にすることができなかった休日を満喫できる幸せを感じていました。
これまで連休がなく、翌日の仕事を気にして遠出して旅行に足を運んだりすることもできなかったので、家族と一緒に1泊2日の旅行をするようになるなど、リフレッシュとつかの間の休息を満喫して幸せな時間を過ごしていました。

2週間も休みを満喫するとすっかり気持ちはリフレッシュし仕事をまた再開してもいいかなという気持ちが自然とわいてくるほどで、自然と転職サイトに登録をして転職活動をスタートするほどにまでモチベーションが回復していました。

会社員を辞めて気づいた後悔

会社員を辞めてから仕事を探しましたが、結局理想的な転職先企業と出会うことができずない日々を2カ月過ごしました。有給休暇も終了し、一切給与が発生しなくなった月からは家賃が支払えなくなるためお金を稼がないとまずいと危機感を感じるようになりました。

あわてて転職先を探しても選考が始まってから1か月から2カ月ほどは内定までに時間がかかることもあり、想像していたよりも現実は転職に時間がかかることを目の当たりにしました。これなら会社員を続けながら転職活動をした方が落ち着いて企業を探せたのではないか?と後悔しました。

また、会社員を辞めるとこれまで仲の良かった前職の同期とは溝ができてしまった気持ちで、食事に誘ったり出かけたりすることも声をかけずらく感じ孤独を味わいました。仕事を辞めるということは単純に会社員を辞めるということだけではなく、これまで仲の良かった同期とも離れ離れとなることや安定した生活から一時離脱することを考えるとリスクが大きいことだと後悔をしました。

会社員であることは自由が少ないかもしれないが、その分の恩恵は十分に受けていることを退職して始めて気づいたことで、正社員であることの恵まれた立場に対する理解が遅かったことを後悔しました。

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