私は社会人になってからの8年間で数回の転職をしました。その中で一番最近の転職についてお話したいと思います。
前職ははじめは優良企業
今の職場の前の仕事は、いわゆるブラック企業でした。
とは言えはじめからブラックだった訳ではありません。入社した当時は割と優良企業でした。入社に伴う引っ越し費用も多く負担してくれましたし、月7日から8日の休みも必ず取れていました。年末年始もゆっくりお休みがあり、年2回のボーナスもわずかながら出ていました。
残業もほぼなく勤めやすかったです。長く勤めた人も何人か居て安心できました。不満といえば、体育会系のノリしか知らない男の先輩が数人居て、文科系まっしぐらで生きてきた私には時々居心地が悪かった程度です。
徐々にブラック企業へと進化
この状況が変わり始めたのは、入社して10ヶ月程してからです。原因ははっきりしています。社長が新事業に手を出したことです。新しい事業が軌道に乗るまで、経営が安定しないのは仕方のないことだと思います。お客様がつくまでは読めないことも多々ありますし、計画の変更も必要でしょう。
ですが、それは新事業の会社の中で行うべきものではないかと思います。幸いなことに本業の方の経営は順調で、資金的にも余裕がありました。それが良くなかったと今では思うのですが、社長は、本業の方から新事業への資金の供給を開始しました。私は経理担当ではなかったので詳しくは分かりませんが、担当者曰わく「今のところ法律には触れてないけれどギリギリよ」とのことでした。
更に新事業のスタッフが人員不足に陥ると、社長は本業から数人を新事業へと移動させました。それがブラック企業へ転換してしまう決定打になりました。
人出不足に陥る
まずは人員不足です。今まで足りていたのが数人減ってしまい、業務がてんやわんやです。しかも欠員の補充も簡単ではなく、結果一人当たりの仕事量が増えます。勤務時間内では仕事が終わらず、残業をしたり仕事を持ち帰ったりということが発生し始めました。
制度が変わり、給料が下がる
次に制度の改革です。新事業を回すために、順調だった本業の制度を変えるという、なにしてるの?という改悪が続きました。休みが取れなくなったり、本業と新事業を行ったり来たりする勤務ができたり、本当に混乱しました。
その上お給料が下がりました。業績良好だった本業から、業績不振の新事業へ資金が流れていますから、従業員に回すお金が足りなくなったのでしょう。ボーナスも寸志程度の有るんだか無いんだか分からないものになりました。これらの事から、ベテランさんが辞めていきました。そしてそのしわ寄せで更に仕事が増える悪循環です。
転職を決意した
そんなこんなで入社から1年半で、私より上の人よりも、私より下の人の方が多くなりました。まだまだ分からない事も多いし、このまま責任ある立場に追いやられては堪らない。しかもまだまだ改悪は続きそう。てゆーか入社時の条件と今の条件がかけ離れすぎている。文句は滔々と溢れます。
それでも仕事を辞める踏ん切りがつかなかったのは、せめてあと半年働かないと転職活動に不利かもしれないと思ったからです。勤続1年ちょっとより、勤続2年の方がまだ良く聞こえる気がしていました。
そんな時あるスタッフが転職を考えていると聞きました。それはなんと、新事業の雇われ店長でした。それが本当なら、きっと本業の方から誰かが店長という形で引っ張って行かれるに違いないと思いました。そして状況を考えると、自分に白羽の矢が立つ可能性が十分にあったのです。
自分がやりたくて始めた事業で苦労するならまだしも、社長の始めた経営不振の新事業なんて引き継ぎたくない。本業側からも新事業側からも叩かれながら、社長の手足になって働くなんてごめんだ!と思い、転職を決意しました。
ブラック企業からホワイト企業に転職
前職で痛い目をみた私が再就職にあたり重視したのは、給与と経営組織でした。前のように社長の一存で制度がコロコロ変わってはたまりません。ハローワークでも、前職は雇用条件がコロコロ変わって大変な思いをしたと強調して、安定性を一番にいろいろ紹介してもらいました。
なかなかピンとくる仕事はありませんでしたから、知人友人にも求職活動をしていることを宣伝したり、ネットで求人を探したりもしました。すると友人から、市の広報誌に求人が載っているとの情報が寄せられました。
市報の求人なんてシルバー人材センターか何かじゃないのかと思いつつ見てみれば、なんと市民ホールのスタッフ募集でした。正社員ではなく契約社員ですが、市の委託事業です。お役所仕事です。後ろ盾はザ・安定感の市役所。福利厚生しっかりしていて勤務時間は決まっているし、もし残業しても残業代はきちんと出るはず。そう思った私は飛びつきました。
ホワイト企業の中身
転職して感じた、これはホワイト企業だ!という点を挙げます。
勤務時間
まずは勤務時間です。シフト制ですので出勤は朝早い時と昼近い時がありますが、早く行った方がいい行かないといけないという空気がありません。むしろ早く行くとどうしたの?と言われます。上がりの時間も決まっていて、少しでも残って作業していると上司から「それあとどれくらいかかる?30分以上必要なら明日にするか残業届け出してね」と声をかけられます。
休みの日
次にお休みの日です。休みの日に会社から電話が入ることがほぼありません。何かあっても、みんな○○さんは今日お休みだから明日にしましょうねー、という姿勢です。余程の事情がない限りそんな感じです。有給休暇を取ることにも引け目を感じません。市民ホールですので大きなイベントが入っているときは難しいですが、そうでなければ自由に有給休暇が取れます。
それからお給料が安定しています。忙しいシーズンには残業代も上乗せされます。
ごくごく普通のことですが、それがどんなに有り難いことか。一度ブラック企業を経由すると、普通のことが非常にありがたく、心が本当に穏やかにてなります。気持ちに余裕が持てるのが一番ホワイトな部分かもしれません。
転職する際の面接で聞かれた質問集
さて、そんなホワイト企業ですが、入社試験は当然ありました。良い求人だったので私の他にも4名の応募があり、選考試験が行われました。試験の内容は小論文と面接でした。スーツで来たのは私ともう一人で、もう一人は私服、もう一人はドタキャンでした。
小論文は、自分がここに就職したらどんな事で役立てるか、という内容でした。私は自己アピールを文にしろ、という意味に受け取って用意していた自己アピールをだらだら書き連ねました。
面接で出た質問で覚えているのは以下のものです。
- どうしてこの会社を選んだんですか?
- 前職はどういった仕事内容でしたか?
- この会社について知っていることやイメージ
- 前職を辞めた理由
- 自信があること
- 就職するにあたって気になっていること
- 就職するにあたって不安なこと
こんな感じです。
質問として聞かれたのはこんな感じですが、あとは雑談という感じでいつから働ける?とか結婚の予定とかどう?ということを話しました。
転職するときの求人情報の集め方
今回感じたのは、ハローワークもネットも大切だけど、人脈って本当に大切、という事です。自分が今何をしているのかのアピールも、自己プロデュースなのだと学びました。求職活動をネットにばかり頼っていたら今回まで就職はなかったと思います。