前職は公共図書館司書
公共図書館司書の仕事内容
誰でも無料で利用できる、公共図書館の司書として働いていました。大型の図書館だったので、スタッフ数も大変多い環境でした。
基本的な業務としては図書の貸出や返却作業をするだけでなく、図書の選定や受入の作業、展示の企画、図書を本棚に戻す配架作業、読書相談、子どもへの読み聞かせ、市民向けの講座の進行、図書の修理、館内見回りなど、様々な内容を分担しながら行っていました。
給与面も特に良いというわけではありませんでしたが、憧れの仕事で働けるのであれば頑張れるのではないかと思い就職しました。
前職を辞めた理由は「理想と現実のギャップ」
前職を辞めた理由は、一言で言うと、ずっと憧れてなりたかった図書館司書という職業に対して、自分が思い描いていた理想と現実とのギャップに耐えられなかったからです。
図書館司書といえば、カウンターに座り、本を借りたい人に貸出手続きをし、オススメの図書を紹介したり、本を探してあげたりという静かなイメージでした。しかし実際は本当に多忙で、まさに体力勝負の仕事でした。館内では静かさを保ちながら、事務所内では走り回って過ごし、接客面では理不尽なクレーム対応に追われることもありました。
いろいろとある転職理由の中で一番のきっかけとなっているのは、その接客面かもしれません。もともとアルバイトなどでも接客業の経験があり、周囲から接客が親切でよい、向いていると評価も受けていました。そして自分自身も接客に向いているのだろうと感じていました。
しかし、度重なるクレーム対応や、いつも笑顔で過ごすことへの疲れが出始め、日々ストレスが溜まっていき、そこで初めて自分が向いている職業についていないのではないか、と考えるようになりました。社員の人間関係については、そこまで悪いというわけではありませんでしたが、年配の方から若い方までさまざまな方が働く大所帯だったので、少し気疲れする面はありました。このように転職の理由は一つだけではなく、様々なちょっとしたストレスが積み重なっていき、転職に踏み切ろうと判断することになりました。
現職を決める上で重視したこと
できるだけ精神的に自分が負担だと感じる業務がないような職種、できれば接客業のない仕事ににつきたいと考えていました。しかし、図書が好きだったことや、せっかく取った図書館司書の免許を生かした仕事がしたいという考えもあったので、まずは本を扱う仕事の中で何か自分に向いているものはないかと思い仕事を探しました。
公共図書館で接客がない仕事というのはほぼ考えられないので、図書館でも病院内の図書館や、大学の図書館、専門図書館などに幅を広げて探し、何か興味を惹かれる仕事がないとか探しました。そこで見つかったのが、図書館で利用される図書のデータを作成する仕事でした。
図書のデータ作成の業務は、新しく発売された新刊本や、それ以外にも倉庫に埋もれているような昔の本など、現在データ化されていないために図書館のシステムで検索ができない図書を、データ化して検索ができるようにする業務です。
この仕事であれば、接客をする機会もなく、図書に触れて過ごすことができ、何よりも図書館司書の資格や知識を生かすことができると思い転職を決めました。
使った転職サービスは主にindeed
ハローワークやindeedを利用し、リクナビにも登録していました。
図書館関係はなかなか求人が出ず、ハローワークにも情報が少なかったので、私は主にindeedを利用していました。indeedは希望する職種や条件を登録しておくと、条件の合う募集が見つかった際にメール送信してくれるのでとても便利でした。
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現職は図書データ作成業務
今の職場で働いてみて
総合的に考えて、転職してみて本当に良かったと感じています。
今の職場は、人数でいえば前職の5分の1程度で、業務開始から就業まで、ほとんどの時間がパソコンと向き合っての作業です。残業もなく、毎日定時であがれるようになり、規則的な勤務時間で過ごせて快適です。会議で議論をしあったりすることもないので、他の社員の方との間にも必要最低限の業務上の会話しかなく、穏やかな空気が流れています。
思っていたよりも接客という業務や、周囲との人間関係がいかに自分にストレスを与えていたのか、ということに気づきました。転職してみて「自分は接客が向いている」という自己分析が間違っていることにやっと気づけたように思います。
賃金的に言えば、前職とはわずかにしか差がないのですが、自分がストレスなく働けていることが何より幸せだと感じています。
転職を考える上で何を重視するのかはその人によってそれぞれですが、ずっと続けていくものと考えると、充実した内容の仕事にめぐり合えてよかったと感じます。
自分に負担がかかっても、一つの職業を続けていくことが良いという考えの方もいると思いますが、心身ともに健康に働ける環境にめぐりあえるのであれば、転職を積極的に考えることも悪いことではないと私は思います。