転職前、私は総合病院の正社員で事務の仕事をしていました。医療事務の資格をとれば安定した仕事ですし、長く働けると思いこの仕事を選んでいました。実際、働いていた時は、給料面でも安定感があり、昇給やボーナス、福利厚生などもありましたが、常に残業もありました。
転職前の残業の日々
総合病院では、仕事の時間が朝9時から17時半までとなっていましたが、入院患者さんや救急の患者さんも24時間来るので、仕事はいくらでもありました。ですので、残業になるのは仕方がないことでもありましたが、夜間は夜間の事務員と交代で行っていただくことになっていたので、私たちの仕事が残業になるのはやはりおかしいことだったのです。
上司の考え方もそうですが、一緒に働いている従業員の心の持ち方も無駄な残業を招いていました。もともと定時で帰宅できる人達が交代でシフトになっていましたが、定時で帰れる人達は仕事がたくさん残っていても必ず定時で帰れるので、仕事を効率よくこなそうとしなかったのです。
その結果、仕事が時間内に終わらず、定時で帰れる人以外はますます帰りが遅くなるという流れでした。もともとの仕事内容が、多いというのもありますが、個人の仕事ではなく、みんなで手分けをしてこなさなければならない仕事だったので、一人一人の協力や仕事に対する気持ちが大切なのです。
しかし誰も改善しようとはせず、上司も違う部屋で仕事をしていたので、相談をしましたが実際の私たちの仕事を見てないため理解してもらえず、私はこの職場から離れる決断をしました。
希望していた総合病院の仕事でしたが、仕事が終わってからの自分の時間も大切でしたし、仕事は効率よくこなさないと意味がないものだからと思ったからです。
私なりに努力はしましたが、改善までにはいたらなかったので、このままでは自分も体調を崩すのではないかとも思いました。総合病院で働いて8年目のことでした。
転職活動は働きながら
転職を決めましたが、すぐには辞めず、仕事をつづけながら転職先を見つけるという方法を選びました。仕事を終えて家に帰った後、ネットでいくつかの転職サイトを閲覧したり、転職用の求人雑誌を見る日々が続きました。時々、希望の企業を見つけては、履歴書を送ったりしました。
面接は急に決まることが多いので、急に休みを取らなければなりませんでした。転職サイトでよさそうな仕事が見つかっても、その企業に連絡を取るのに、遅い時間になってしまうと不可能ですので、どうしても定時に帰ることが大切でした。
仕事を定時で終わらせる
大人数でこなす仕事ですから、定時に帰れるように仕事を終わらせることは大変でしたが、自分ができることを考えて、仕事の順序を早く終わらせられることからとりかかり、考え方をそれまでとは変えるようにしてみました。
以前は、他の人に仕事をお願いすることは避けていましたが、そこからは、遠慮なく人を頼ってより協力することも意識しました。そして、みんなに呼びかけることにしました。転職することは、転職先が決まってから話すことにしていたので、職場の仲間には伝えていませんでしたが、ひとりひとりの意識を変えないと、やはり職場は変わらないと思ったのです。
より全員が気持ちよく仕事ができる環境にすること、みんなが元気で働けるように、協力して時間を意識して、仕事をすることです。すぐに効果はでませんでしたが、やがて、そのように意識を変えれば全員で定時に帰れることに気が付いてくれて、どうすればより効率よく仕事ができるのかも考えてくれるようになりました。遠慮せずに自分の意見をもって発言することも大切だと感じた瞬間でした。
退職して転職活動に専念し、転職成功
私は、そうして仕事を続けながら転職活動をしましたが、より転職活動に集中したいと思い、その3か月後にその総合病院を退職しました。退職する頃には、とても働きやすい職場になっていましたが、自分のスキルももっと伸ばしたいので、やはり転職する気持ちは変わりませんでした。職場を離れた後は、ハローワークに行ったり、それまでの仕事を気にすることなく、転職活動に専念できて、退職から1か月半後、転職に成功しました。
転職先は保険会社
医療機関ではありませんでしたが、医療事務の仕事の経験を生かせて、さらに幅広くスキルアップできると思い、この会社に決めました。保険会社は、中途採用でも研修が充実していて、受け入れ体制も整えていてくれました。病院とは違い、24時間営業しているわけではないので、みんながどうしたら時間内に必要な仕事を終わらせられるのかをよく考えていて、実際とても集中してひとりひとりが上手に仕事をしていました。
適度なコミュニケーション
同じ仕事内容の仲間でも、全体の目標とそれぞれの目標を明確にしていて、無駄な会話もなく、それでいて適度なコミュニケーションを意識しているようでした。やはり、以前は残業続きのようでしたが、社内の全員で意識改革をして、変えたようです。
私自身は、まず、自分の仕事を一日でも早く覚えることが自分の役割と考え、仕事のマニュアルや資料にわかりやすくメモを取るようにしました。先輩も考え込んで手が止まってしまうのはもったいなから、わからないことはなんでも聞いてといってくれたのも助かりました。
お昼休みから10分でも早く戻って、そのような合間に勉強をして、仕事の時間は仕事に集中できるようにしました。仕事が少しずつ覚えられて、自分で動けるようになってきたら、周りをよく見て相談を欠かさないようにしたり、疲れたときは休憩をはさんで、気持ちがだらだらとしないようにしました。
デスクワークなので、集中力にも限界があります。限界を超えて無理をしていると効率が悪くなり、余計に疲れてしまいますし、仕事がはかどりません。こまめに机の下で脚のストレッチをしたり、目を休めたりすると、リフレッシュできて仕事がはかどると知りました。頑張りすぎるのもよくないようです。
一人一人の仕事が明確
この転職先の会社では、上司や同僚との連結も強く、お互いの話をよく聞いてくれて、いつでも相談や話ができる環境です。困ったことがあると必ず誰かしらが迅速に耳を傾けてくれるのも、仕事が安心してはかどる理由だと感じます。
一人ひとりの仕事の分担も明確になっているので、人手が足りない時でも、仕事が偏ったりしないのもよい工夫だと思いました。どちらかというと、個人個人で黙々と行う仕事ですが、定時に常に仕事を終わらせるには、自分一人だけの頑張りだけではなく、周りとの連携と、それぞれの心がけが大切だと痛感しています。
私もしっかりと報告や相談を怠らないようにして、一日の自分の仕事を大きく眺めて、改善できる場所はどこかにあるはずだと考えるようにしています。その気落ちは常に忘れず、持ち続けることが大切だと思っています。
毎日定時に帰宅
転職してからは、毎日定時に帰宅することができ、効率よく、気持ちよく仕事ができているので、疲れにくいですし気分もすがすがしいです。職場が変わったことは大きいですが、仕事はやはり一人でするのもではないですから、みんなと話すこと、自分の意見を自分で明確にして、その両方の努力が一番大切だと思っています。どちらか一方だけでも、自分の仕事の能率も上がりません。転職したことで、比べることができ、その発見をすることができました。