働く人なら誰でも、職場に苦手な人が1人以上はいるでしょう。転職した人の中には、職場にとても嫌いな人がいて耐えられなくなったのが転職の理由という人もいると思います。しかし、転職してみたらまた嫌いな人ができた、というケースが多いのではないでしょうか。
どの職場でも合わない人というのはいるものです。つまりほぼ避けて通れない問題ということです。それならば、職場の嫌いな人とうまく付き合ってできるだけストレスを減らすことを考えた方が良いですよね。この記事では、転職により複数社を経験した筆者の経験から、職場の嫌いな人との上手な付き合い方を紹介します。
できるだけ関わりを避ける
まず、可能ならばできるだけ接触の機会を減らしましょう。機会が少なければその分嫌な思いをする時間が減り、負担も少ないので心の余裕を保ちやすくなります。嫌いな人と接するときも、心の余裕があった方が冷静に対処できるでしょう。
接触の機会を減らす具体的な方法としては以下のようなものが考えられます。
- 他の人で代わりが効く場合は、迷わず他の人に対応してもらう
- 正直に事情を話して他の人に対応してもらう
- 仕事の方法自体を変えて関わりを減らす
この方法の注意点は、関わりを避けていることを本人に悟られないようにすることです。人にもよりますがいじめる系の人などでは、避けていることを気付かれると、余計に刺激してしまいいじめが悪化することがあります。ですので、急に極端に接触を減らすのは危険です。徐々に、気づかれない程度に、少しだけ減らす気持ちで避けることが重要です。
また、嫌いだからといってつい、その人と接する必要があるのにためらってずっと業務を放置してしまう、というようなことがないようにしないといけません。
同じように、嫌いな人に確認しないといけない事項があるのにためらってしまい、自分で判断して業務を進めてしまうことも危険です。そのようにしてしまうと自分の評価が下がってしまうことにもなりかねません。接触を減らしても支障がない状況かどうかの判断が重要です。
何を言われても深く考えないで流す
接触を減らしても、ゼロにはなかなかできません。どうしても関わりが必要な場面での対処法は、相手に言われたことを重く受け止めすぎないで自分の中で軽く流すことです。例えば何か嫌なことを言われたとすると、それをそのまま受け止めず「またなにか言っている」「言わせておけば良い」と軽く捉えてすぐに忘れるようにしましょう。
これは「嫌なこと」を嫌なこととして捉えないということです。同じ出来事でも、ストレスは自分の感じ方次第でずいぶん変わるものです。ストレスを感じづらい考え方に、意識的にシフトチェンジをするのです。これができると、嫌いな人との付き合いだけでなく他の様々なこともかなり楽になります。
とは言っても少し難しいですよね。難しいと感じる人は、流す前段階として、「相手を見下して憐れむ」という方法を試してみてください。
「人に嫌なことを言うような性格の悪い可哀想な人」「自分の人生が満たされていないから人に意地悪をしている」といった考え方をして相手を見下し、それから軽く流すようにします。流す準備ができるので、少し難易度が下がります。注意点は、「あくまで流すのは自分の中だけで」ということです。
流している雰囲気が顔や仕草に出てしまうと当然ながら相手を怒らせてしまいます。特に相槌に出やすいので注意する必要があります。話を聞いているときの表情も要注意です。外に出さずに、自分の頭の中や心の中でうまく処理することが肝心です。
笑顔で対応できるようになったらプロフェッショナルですね。
同じ考えの仲間を見つける
誰かに嫌われている人というのは、他の人にも嫌われていることが多いものです。職場に、自分と同じ人を嫌っている人が他にもいるかもしれません。なかなかおおっぴらにそのような人を探せるものでもないですが、普段の様子や会話の中などで兆候がある人を見つけられることがあります。
「もしかして…」という人を見つけたらそれとなく探りを入れてみると、お互いに同調するものを感じて率直な話ができたりします。
こういった仲間を見つけると、日々のストレス軽減にかなり助けになってくれます。まず「嫌な思いをしているのは自分だけではない」という実感を得られることです。人間というのはそれだけで負の感情が軽減されるようにできているようです。そして、日々のストレス源である嫌いな人について、愚痴を言い合うことができます。
負の感情を自分の中だけに溜め込んでいると、ストレスがどんどん自分を蝕んでいきます。それが限界に達すると心や体を壊したりしてしまうことになるので、負の感情は外に吐き出していくことが必要です。
しかし愚痴は無関係の人に言うのはためらわれますし、同調も得られないのでストレス減少効果が低くなります。同一人物を嫌っている人が他にもいれば、その人とお互いに愚痴を吐き出し合うのがもっともストレス解消に効果的です。ただ、陰口とも言えるので気が進まないと言う人もいると思います。
これに関してはいろいろな意見があると思いますが、私は職場という環境でのストレスを減らすためなら、愚痴は必要でしかたのないことだと考えています。職場は毎日多くの時間を過ごす場所ですし、簡単には逃げ出すことができません。体調や精神を健康に保つために、予防が必要です。
とは言え、ネガティブな方法に変わりはないので、愚痴や陰口を言う自分にストレスを感じてしまう人や、どうしても気が進まないという人は、紹介する他の方法をやってみるといいかもしれません。
思い切って飲みに誘ってみる
実は嫌いな人のことをよく知らない、ちょっとしたすれ違いがあって嫌いになってしまった…そういう場合、敢えて嫌いな人を飲みに誘うという斬新な行動をとってみるのも一つの方法です。
普段仕事をしているときに関わる部分は人のごくごく一部に過ぎません。職場以外で話してみると、知らなかった意外な一面や勘違いしていたところなどに気付くことができたりします。お酒が入るとなおさらですね。実は普段のその人の嫌いな行動には事情や理由があることがわかったりもします。
その結果、「嫌い」だという感情が少し中和されるという、信じられない変化が起きることもあります。奇跡的に仲良くなるということもあるかもしれませんね。
そこまでいかなくても、少しその人に対する捉え方が変わって、おおらかな広い心で考えることができるようになる可能性は高いです。
実際の私の経験では、仲良くなるということはさすがにありませんでしたが、飲み会での体験をきっかけにその人に対する苦手意識が緩和されたことがあります。
なかなか勇気が出ないとは思いますが、ポジティブに行動したい人はぜひ試してみては?
まとめ
相手を変えるというのは至難の業ですが、自分が変わるのは今日からできます。ストレスを溜め込む前に、ぜひ行動に移してみてください。紹介した方法は、結構労力も使いますし、自分をコントロールしたりする必要もあるので大変かもしれません。しかし転職経験者の方は人間関係の経験値も高いのでこういった面では少し有利ですね。
いろいろな人を見てきた分、引き出しも多いでしょう。転職のメリットの一つに人間関係の経験値のレベルアップがあると実感します。これから転職する方は、このメリットも考慮して前向きに考えていただきたいと思います。