同じ業種でこんなにも違う会社気質。
新卒1社目
私は橋の設計士になりたく、橋梁コンサルタント会社(橋梁を設計するお仕事)に入ることを目指しました。就職説明会に何社か参加しましたが、仕事内容は同じなので、どの会社も説明が同じに思え、一番初めに内定を下さった会社に入社しました。憧れの職種につくことができました。
しかしながら仕事内容は設計ではなく、ほとんどA1サイズの設計図面を印刷し、設計図書として提出するA4サイズに小さく折りたたむ仕事でした。石の上にも三年、入社させてもらえたのだから会社に尽くすようにとの教育を両親から受けていたため、そういうものかと印刷のプロになろうと考えていました。今でもクリスマスに徹夜でA1用紙を何百枚も折っていたことを懐かしく思います。
つまり、仕事内容は当初想定していたものではありませんでした。ですが、それより想定外なのは一緒に働く会社の方々の雰囲気でした。残業が多く、土日出勤も多い会社でしたので疲れているせいもありますが、言い方がきつかったです。
たまに頂ける設計のお仕事も、わからないところがあっても聞ける雰囲気ではなく、それでも右も左もわからないのできいてしまうと、質問をうるさく感じた先輩が話しかけられないよう、別のフロアでお仕事をされているのを発見したときは心底さみしい思いをしました。
特に社内の雰囲気が悪いということではありません。会社の方々が悪かったという話でもありません。ただ、残念ながら私には合っていませんでした。自分には合っていないと感じるものの、現状からの変化が怖く、転職は考えていませんでした。その折、身内の看護に専念するため急遽退職することになりました。
2社目
身内が他界し何も手につかない状態でしたが、何もしなければ更に心身が悪化すると思い、橋梁コンサルタント会社の派遣のお仕事をしました。2社目の会社の雰囲気はとても良く、皆さんプロフェッショナルでしたが、世間話を挟みつつ楽しく仕事ができました。たまに声が出るほど笑うこともありましたが、だからといって仕事が滞ることはありませんでした。
3社目
2社目の会社の方々と働くのは楽しかったのですが、正社員としてバリバリ働きたいと思い、橋梁コンサルタント会社に入社しました。1社目と全く同業種でしたが、初めから設計のお仕事を頂き、また先輩には丁寧に指導及び内容の確認もしていただけました。私は元来凝り性のところがあるため、内容を理解するためにしつこくきいてしまうところがありますが、先輩はさらにしつこいため、気にせずにすみます。
やはり残業が多く、土日出勤もありますが、疲れながらも笑い飛ばす方が多いです(勿論あたられることもあります!)。印刷に関しては外部にお願いしているため、社内で大型の図面印刷および折り作業をすることはありませんでした。思い出すと、大学生時代にアルバイトした橋梁コンサルタント会社でも印刷は外部に発注していました。同じ業種でこんなにも違うものかと驚きました。
働いてみないと分からない
働いてみないと会社説明会ではわからないことが多いと思います。それはアルバイトでも良かったかもしれません。大学生時代にアルバイトした橋梁コンサルタント会社のうち、自分には合わないと思い希望しなかった会社もあります。しかしながら、大学生時代は違う業種を知りたかったため、あえて全く違う業種のアルバイトをしていました。また、希望する会社のうち、アルバイトを一般募集していない会社がほとんどでした。
仕事内容が同じなのだから、どの会社でも似たようなものだろうと思っていました。1社目在籍時は比較対象がないため、全てに対し、そういうものだと思っていました。多分、仕事内容が想定と違っても働けたかもしれません。いい橋をつくる、という気持ちはどの会社でも変わらなかったと思います。
しかしながら、職場の雰囲気は自分に合っている必要があると私は思います。もちろん転職した方の中には前の会社が良かったということもあると思います。私の場合は働いてみないとわからないことを知ることができる点、他社との比較ができる点において転職をしてよかったと思えます。
土木女子の転職における面接
土木業界は女性の就職に厳しい業界だと思います。私の就職した橋梁コンサルタントという業種は橋梁の設計を行います。知識を積み、経験を積み、一人前になるのに長くかかるので、寿退社、出産等のリスクのある女性は雇いたくないのが本音です。大手土木コンサルタントでは(私は橋梁に特化した会社に入社したかったので希望しませんでしたが、)男女雇用機会均等法のために女性を採用するため、グループ面接時に女性のみ質問をされなかったという噂が出たほどです。
新卒時は何社か希望したものの、橋梁コンサルタント会社の、特に希望している会社のみ面接を受けましたので、何個か二次面接が残っていましたが一番初めに内定を頂いた会社以降は辞退しました。
一次に筆記試験があり、二次に面接
通常橋梁コンサルタント会社は一次に筆記試験があり、二次に面接がありましたが、内定を頂いた会社は面接のみで次の日に採用通知が来ました。なお、面接はあまり就職には関係がないような雑談で終わりました。想定していた結婚後や出産後の働き方についても質問されず、好感をもちました。その質問は新卒時にされても結婚すらしていない状況でどうなるかは全く読めないため、意味がないと考えていたからです。
家庭の事情により正社員を辞め、派遣社員となった2社目では特に面接というかしこまった感じはなく、残業は問題ないかといった雇用条件の確認で終わりました。
3社目は筆記試験と面接
中途採用として正社員になった3社目は筆記試験と面接がありました。筆記試験は通常の想定の範囲内であり、正しい解答することができました。試験終了後、解答を確認した後に違う難しい問題を追加で出題されました。その際、頑張ってみたものの、解けませんでした。その問題は難しすぎたので、少し意地悪に感じました。
面接では雇用条件の確認と結婚後、出産後の話になりました。結婚しても続けるつもりでいましたが、出産したらという点についてはまだ考えていませんと素直に回答しました。この質問に関し、何が正解なのか知りたいところです。
後日面接をしてくださった上司に合格理由を尋ねたところ、難しい問題を出題したときに、私が『すみません、わかりません』と素直に言ったからということでした。そういう雰囲気の人を求める会社に私自身も合っていました。
土木業界における女性の就職活動、特に面接は難しいと思います。企業に利益を与えるというだけの印象では採用されない気がします。悲しいかな、女は愛嬌が全てであるような気がしてならないのです。