私は大学卒業後、ある福祉施設に就職しました。これがまさに、悲劇の始まりでした。毎日ハードな業務、休憩無し、残業代なし、しかし毎日山のような残業、、更には、入社して2年目で役職を任されることになり、責任やプレッシャーものしかかって私は潰れてしまいました。
うつ病を経験
結論から言うと、うつ病になってしまいました。ブラック企業に就職した末路ですね。体がだるい、重い、常に疲れている、休んでも疲れが取れない、仕事に行きたくない、夜中々寝付けない、何となく呼吸が苦しい。こういった症状から始まりました。しかし、同僚や先輩に相談しても、それくらいは自分も経験している、と言われてしまい、仕方の無いことなのかな、と思ってしまいました。辛い、それだけでは誰も助けてくれませんでした。
ある日、始めて体が悲鳴を上げました。眠れないほど強い胸の痛みでした。呼吸器内科に通院しましたが、全く異常なし。やはり精神的なものかもしれないと感じました。
数日後、仕事中に軽いめまいと吐き気を起こし、呼吸が苦しく、今までどうやって呼吸していたのかわからなくなり、遂には過呼吸になってしまいました。私はそれを機に、心療内科へ行くことを決めました。精神的に病んでしまうと、病院に行く気すら失ってしまうのだそうです。なので、体や心に異変を感じたら、違うかも、と思っても、病院へ行くことをお勧めします。
初めての心療内科
心療内科は、先生によって様々な考え方があり、当たり外れ、合う合わないがあるのだと聞いていました。クチコミサイトも見ましたが、クチコミも人それぞれ。自分に合うかは行ってみないとわからない!そう思い、近所の病院に通院してみました。
先生は優しい雰囲気の男性で、今まで辛かったですね、と言ってくれました。そして、自分がうつ状態であることが告げられました。このままだともっと酷い状態になってしまうので、仕事を休むことも必要だとわかりました。自分がうつ状態になってしまったことへの悲しみと、やっと苦しみが分かってもらえたという嬉しさと、色々な感情が相まって、ぽろぽろと涙が出てきました。治療薬と診断書を手に、病院を後にしました。
念願の休職
診断書を上司に提出し、休職したい旨を話しました。すぐに受理され、明日から休んで良いとのことでした。こんなにあっさりなのか、と少し驚きました。自分がいなくなったら迷惑がかかってしまう、職場が回らなくなってしまうのではないか、そんな不安で今まで退職出来ずにいたのに、、何だか拍子抜けしてしまいました。
そして何より、うつになった原因に関して、「君はそういう性格だからね、、」と私のせいにされたことが腹が立ってなりませんでした。会社のためにどれだけ頑張って身を削っても、だめになった時会社は何もしてくれない、そう感じました。
「退職」ではなく「休職」を選んだ理由
ここからが本題です。見出しでも述べたように、ブラック企業で病んでしまった時の対処法についてお話します。私は、退職よりも休職をお勧めします。その理由としては、
- 傷病手当金が受給できる
- 会社に籍を置きながら長期間休職できる
- 復帰したい時には、体調が回復すればいつでも復帰できる
- 保険や年金を切り替える必要が無い
- 体調を整え、転職活動をする猶予もできる
など様々です。傷病手当金です。健康保険組合から、普段の給料の約6割を、最大1年半受け取ることができます。そのためには、会社と病院にも申請書を記入してもらう必要があるので、詳しくはホームページをチェックしてみてください。
また、退職したからといってうつがすぐに治るとは限りません。うつになってしまっている場合、治療には時間がかかります。すぐに転職しても、体調が安定しなければ意味がありません。今まで頑張って来た分、治療をしながら、少し休んでみてはいかがでしょうか。
「復帰」か「転職」か
うつの治療をしながら休職して、1年ほど経過しました。うつの度合いにより、回復までの時間は様々ですが、主に病院の先生により回復したと判断された時が復帰のタイミングとなります。
私は元々復帰も考えていたのですが、同僚からの話により、私が休職してから職場の業務改善が見込まれないこと、寧ろ酷くなっていることがわかり、復帰してもまた同じことを繰り返すだけではないかと思い、退職を決意しました。うつになった人が復帰する場合、うつをぶり返さないようにする方法は2つです。
- 会社が考えや待遇を変えること
- 自分が考えや取り組み方を変えること
このどちらかだと私は思います。会社が配慮して対応してくれる場合は、働きやすい環境が確保されるかもしれません。しかし、会社が原因でうつになってしまった場合、1人の休職によって考えを変えてれる会社がどれだけあるでしょうか。ブラック企業は、相当なことがなければ方針を変えません。なので、2つめの、自分が変わることができれば、復帰しても問題ないかと思います。
私はどちらもできないと感じました。なので、退職を選んだのです。傷病手当金は、最大1年半受給可能ですので、その期間会社を休職後、退職するのも1つの道です。しかし私は、途中で退職して、手当をもらいながら、転職活動を始めることに決めました。
退職後も傷病手当金の受給が可能
休職中、会社からの申請も必要な傷病手当ですが、実は、退職後も受給を延長することが可能なのです。そのためには、条件を満たしているか確認が必要です。必要な書類もあるので、退職前に、健康保険組合に確認を取ることをお勧めします。
失業手当も合わせて受給可能?
会社を退職して転職活動を行っている場合、ハローワークに通うと、失業手当の受給が可能です。しかし、傷病手当を受給中の場合は、同時に受け取ることが出来ません。そのため、申請すれば、傷病手当の受給が終了した後に、失業手当を受け取ることができる可能性があります。こちらも条件を満たす必要があるので、確認を取ることをお勧めします。
手当をもらいながら、治療と転職活動、または職業訓練などに専念できるので、焦らず時間をかけて自分や将来と向き合うことができます。一先ず生活のためにアルバイトを始める方もいるようですが、国のセーフティネットはしっかりしています。大変な時は、利用可能な支援を探すことで、サポートしてもらえることを覚えておいてくださいね。
おわりに
ブラック企業で酷使され、病んでしまった時、1度は死も考えました。しかし今では、しっかり休職して自分と向き合う時間ができ、良い機会になったと前向きな気持ちになれました。現状を諦めてしまうのではなく、もっと良い道があるのではないかともがくことが必要だと感じました。 体調に不安がある方は、気軽な気持ちで、まずは病院に行ってみることをおすすめします。