【消費者金融から医療器具の営業職へ転職】同じところでずっと働き続けることが美徳という考えは捨ててしまっていい

学歴は中卒、なんの資格もバイト経験もなし、という私が最初に就職したのは消費者金融でした。募集要項を見ていたところ正社員での雇用は高卒以上という規定がありましたが、契約社員は高卒の文字がなかったし、お給料もほかの中卒条件のところよりずっといい金額だったので、応募しました。

就職した当時は消費者金融に対して「お金を貸すところ」くらいの知識しかなく、確固たるイメージもなかったし、テレビCMなどはさわやかな印象だったので、あまり疑問をもたず入社しました。

面接も特に怖いイメージの方がやっているわけでもなく、クリーンなCM通りの方が丁寧な面接をしてくださったので、まあ、銀行とは違うけれど金融業ってことであまり不安はいらないかな、と思って入社しました。




消費者金融に入社してみたけど現実は・・・

あまり疑問も不安も持たず入社した消費者金融業、制服はまあまあかわいいし、こんなところでOLをやって、普通の事務職の人よりはお給料が高めだなんていいところに就職した、なんて思っていたのですが、現実はお給料なりにかなり厳しいものでした。

まずは、体系だった教育は正社員しか受けられないので、契約社員雇用だった私は、研修などなくいきなり仕事場に出てください、といわれ手当たり次第先輩に仕事を教えてもらうしかない状態に。

朝、「おはようございます」といって「何からさせて頂ければいいですか?」ときいてもその先輩ごとに言うことが違って、どうしていいかわからない。そしてある人に言われたことを言われたとおりにやると、他の先輩には怒られたり注意されたりする。いったいどうしろと?!という感じでした。

先輩は優しい人もいれば、ねちねち苛め風のひとまでいて、女性が多いせいか、休み時間には集団になって、いない人の悪口ばかりというのが私には耐えられませんでした。

特に入社した会社では中卒は私一人だったので、私のあることない事言いふらす人がいて大変。どこの職場でもある話だとは思いますが、ここは特にすごいなぁ、という感じでした。

職種としては営業事務だが、ほぼ営業

仕事は一応職種は営業事務という募集だったので事務職をイメージして入りましたが現実はほぼ営業、という感じでした。消費者金融業というのは簡単にいうと利率の高く設定していお金を貸すのがお仕事です。
営業ですから、お客様に「もっとうちの会社からお金を借りてください」とお願いしたり交渉したりするのです。
私はこの辺からなんとなく罪悪感があってなじめませんでした。

また、基本的には何の担保もなくお金をお貸しするシステムでしたが、現実的にはすごい利率になりますから、当然返せなくなるお客様も多数出てきます。そうすると、保証人を付けて頂くと、もっとお金をお貸しできますよ、とか不動産を担保に入れて頂くと、もっとお貸しできますよ、という感じでどんどん借金が膨らむように誘導する感じの営業をしなくてはなりません。

心が痛む日々

仕事ですからそういう営業もやる流行るんですが、ついつい想像力が働いてしまい、保証人になってくれた人と信頼関係の破綻、とか、返済しきれず不動産を手放す、などというなんとなく相手の不幸が想像できてしまうというか、すごく微妙な心境になり、仕事をしているこちらも人でなしになりそうな気持ちになります。

それでもやはり自分の身はかわいいし、こういう仕事をしているおかげでお給料を頂けるのも事実なので一生懸命やりました。想像通り、借金を返しきれず借金をした当人は逃げてしまい追いきれないので保証人に責務が及んでしまい、人間関係が破綻してしまったケース、不動産をとらなければならないケースにも出会う羽目になりました。

最悪なケースとしては借金を苦に自殺してしまうお客様が結構な数いらしたこと。ご家族が借金があった事実をしり、会社に乗り込んできて、社員が殴られそうになった、なんて怖い現場もありました。

毎日毎日心が痛んで自分自身がおかしくなりそう。
そして、はっと気づいた時、この会社に長く勤めている方を見ていてある共通項に気付きました。気付くと人として大事な部分がマヒしてしまっているのです。

人に対して持つ感情を自分も持ってしまうかも・・・

職業が職業だからしかたない、と割り切らなくちゃいけないのですが、お客様のデータを見ながら、「こいつの不動産落ちてくんないかな(返済できなくて不動産をとること)。そうするとこちらも取り立ての手間が省けてちょうどいいんだけど」
「この客、死んでくれないかなぁ、病気を苦に借金って、返せないやつが病気するなよ」

これ以上は書くのに忍びないのでやめますが、とても人が人に対して持つ感情ではないと思いましたし、こんなところにいたら自分も影響されて同じ種類の人間になってしまう・・・と恐ろしさを感じました。

これ以上ここにいてはならない、と休みの日にひっそりと就職活動を始め、めでたく2か月後に次が決まったので、「ほかにやりたいことができたので一か月後に退社します」と上司に報告。退社は引き留められた挙句、なぜか徹底無視や、居心地の悪い雰囲気を作られ、やめるまでに辛い思いを味わいました。

転職先は医療器具の営業

転職した先は、医療器具の営業を主とするお仕事でした。
前職も営業で、お客様の何気ない一言に傷ついたりへこんだりして大変だったので務まるか心配しましたが、人間としてブラックな気持ちを持たないでお仕事を出来るので、メンタル的にとても楽でした。

医療に関係する人たちというのは基本的に「病気で困っている人の役に少しでも役に立つことがしたい」というモチベーションで入社してきているので、人柄も消費者金融に勤務していたころより、ずっと清々しく、人間関係の悩みも少なく過ごせています。

お給料は以前の会社より7万円も少ないので毎日スーパーで節約生活ですが、7万円多くもらって前の職場に勤めているときよりずっと楽しい時間を過ごせていると感じています。

お金は生活に必要だし、自分が病気になったりいざと時のお助けマンですから、とても大事なものですが、自分のメンタルを削り、人間性のまともさまで売り飛ばす仕事をしてまで7万円多くもらわなくてよかったと思います。

あのままあの会社にいたら、私は本当に人でなしになっていたか、精神的に削れて病気にかかってしまったかどちらかではないかと思うので、ぞっとしています。どうせもう七万稼ぐなら人に喜ばれるお仕事で稼ぎたいと思っています。

転職してみて思うこと

転職してみて思うのは、同じところでずっと働き続けることが美徳という考えは捨ててしまっていいという事です。それぞれのご家庭の事情もあるので、なんともいえないところですが、私自身は転職成功と思っています。

お金が高いことは魅力的ですが、この先日本経済がどうなっていくかわかりません。顧客ニーズがどうなっていくかもわかりません。
なので、企業の商業戦略によって社員のお給料というのは上がったり下がったりするので、その場の募集要項や現状だけをみて「ああ、お金のためにここで耐えなければ」と思う必要はないのではないかと思います。

仕事は人生の中で最も構想時間が長いものです。
なので、ある一定期間やってみて、自分の人生によい影響はないな、と思ったらすぐやめて次にいくというのも選択肢に入れていい時代なのかな、と改めて思っています。

転職すれば仕事も変わるし人間関係も変わるので勇気がいるのは事実ですが、やってみてダメならまた次がある。せっかく人生で長い時間を費やすのですから、できるだけ充実した気持ちで過ごせる仕事を選び続けたいと思っています。

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